2012.01.01

あけましておめでとうございます@2012

あけましておめでとうございます。

今年の正月は3年ぶりに地元の実家で過ごしております。ここ2年間は関ジャニ∞のコンサートで大阪に行っていましたが、今年はおとなしく地元で。

以前のブログで1公演しかチケットがあたらなかったと大騒ぎした関ジャニのドームツアーは、お声をかけていただいたりして、結局東京2公演(12/16、18)と名古屋(12/24)の3公演に行ってきました。どの公演も心底楽しんできて今まだその余韻に浸っているところです。もっと行けたら良かったんですけれども。昨日のカウコンをもって終了したことがなんだかとっても寂しいです。

彼らも中継で出たジャニーズカウコンをテレビで観ましたが、なんだか出る人が多すぎて誰もが印象が薄かったなあ。関ジャニくんたちは完全に歌うことよりネタに走っていましたねcoldsweats01 「SHAKE」とコスプレコントの関連性がなかなか読めなかった自分は若くないなと改めて悟りました。

あと、今年は、14年ぶりにニューイヤーコンサートにウィーン少年合唱団が出るということでそちらも楽しみに見ました。実家から自宅に戻らなければならなかったので「トリッチ・トラッチ・ポルカ」までしか聞けなかったのですが、「トリッチ・トラッチ~」はアレンジがお馴染みのものとちょっと違って新鮮でした。オケの音が大きすぎて声がちょっと聞こえにくかったのが残念。昨年は地震や原発の影響で来日が取り消しになったウィーン少ですが、今年は来てくれるみたいでとても嬉しいです。

上記理由で前半しかニューイヤーコンサートは聞いていないのですが、なんか選曲がすごいですね、いきなりラデツキーもどきや青きドナウもどきが流れてきて、「ちょっとこれは賛否両論だろうな」と思いました。

では今年もよろしくお願いいたします。

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2010.12.31

2010年に行ったコンサートの記録 クラシックの感想②とJポップ

大晦日の今日、横浜は日中快晴でセーター一枚で洗濯物を外に干せてしまう暖かさなんですけれども、なんか関西では雪が降っているみたいですね。昨年も大阪は非常に寒かった、年を考えずフラフラ遊び歩いていたらカゼをひきました。今回も、懲りずにフラフラ遊び歩く予定ですnote というか、フラフラに行きたい、私は。

昨日の記事をアップしてから昨年のコンサートの記録を見直したら、今年の方がたくさんコンサートに行っていました。どうやらジャニーズのコンサートにあまり行かなかったのでコンサートに行っていないという錯覚に陥ったようです。それと、グループのコンサートが軒並みドームだけだったのがなあ、なんか物足りなさを覚えます。しかも関ジャニに至ってはアリーナでしかやらない歌(しかも今までのコンサートでやっていない歌)がいくつもあるから・・・(涙)。アリーナ公演でのセットリストをネットでチェックしてわくわくしながら行ったら、DVDなどですでにさんざん聴いている歌に差し替えられていてへこみました。

セットリストもそうなんですけれども、今回の東京ドーム公演は座席がメインステージほぼ真横のスタンド席だったので、正面のセットが何も見えない、メインステージも見にくい、モニターも遠くてよく見えないという、座席運の面でもあまり良くなかったので、まあそういう点で大満足とは行きませんでしたけれども(メインステージに近いので、ウィンクキラーの罰ゲームでヤスがすばるくんにお手紙を読んでいる途中で、村上くんか横山くん、多分村上くんだと思いますが、マイクを通さず大爆笑している声が聞こえたりなんてこともありましたが)、まあ人生良くしたもので、スタンド席の前から3、4列目だったんですけれども、その近くに花道が設置されており、またパッチで使っていたフォルクスワーゲンを模した山車が外周を通るときにもよく見える位置だったので(アンコールの「無責任ヒーロー」で、亮ちゃんが、本来自分のソロパートである1番のさびのソロをいつもどおり歌いかけたらすばるくんが歌ったためにパッとマイクを口元から離したのもよく見えました。あれ、なんですばるくんだったんだろう、モニターも当たり前のようにすばるくんを映していたのでそういうことになっていたのかな)、そういう意味ではおいしい席でしたし、すばるくんが初めてウィンクキラーの罰ゲームでお手紙を読まれたり、プロアクティブCMもすばるくんだったり(なんか今のところドーム全てそれらしいですが。妹は相当ツボだったらしく、時折思い出してはクックックックッと一人で肩を震わせて笑っていてちょっと不気味でした)、すばるくんが最後までテンション高く飛ばしていたり(「帰りなさい」のくだりはめちゃ楽しかった)、すばるくんファンとして楽しい公演だったし、何より関ジャニみんなかっこよくて面白くて楽しかったので、なんやかんや言ってとっても楽しかったですheart01 長々書いて結局その結論。

セットでインパクトがあったのが天井席前まで高く上がるバックステージですけれども、まあその正面の天井席以外よく見えないという超ピンポイントなサービスではありますが、ちょっと個人的には感動しましたね、同じ料金払っているのに全然見えないですから、天井席は。そういう風に気を配ってくれるのは嬉しいです、あんな高いところで薄い板の上でガシガシ踊って恐いだろうに(というか見ているこちらが恐かった)。

去年のカウコン以来の生すばるくんは、ビジュアルも良く、歌も上手く、もう言うことなしでした。嬉しかったので、長髪なので買うつもりがなかったうちわを祝儀買いしましたcatface とりわけ歌が良かったです、いつも以上に安定していて、声もよく伸びて綺麗で。私の中では、すばるくんは、エイトのコンサートのときはちょっと鼻にかかったような発声でクセの強い歌い方をして、フラフラとか舞台のときとかは喉をきちんと開いたしっかりした発声で歌い方も素直という印象なんですけど、今回はフラフラのときのような素直な自然な歌い方で、それを聴けて嬉しかったです。アルバム曲なんかも軒並み生の方が良かったですね、「Baby baby」とか「蒼写真」とかとても良かった(それだけに「願い」が聞けなかったのが心底残念)。「ロマネスク」のフェイクとか「蒼写真」の他のみんなのコーラスのバックで歌っているの(「遥か遠く」の部分、亮ちゃんの最後のソロの前)とかはジーンときました(また、「蒼写真」のとき、すばるくんが涙ぐんでいたのか目がキラキラしていたんですよね、それと相まってちょっと感動しました)。

KAT-TUNのコンサートは相変わらず大掛かりな舞台装置でスペクタクルで楽しかったですけれども、確か赤西くんの脱退が発表された直後だったんですよね、それでテンションがなんとなく上がらなかったような気がします。

横山くん、上田くんのソロコンは、ともに、いかにもジャニーズな華やかな演出に二人の個性が反映されていて、良かったです。横山くんソロコンのオープニングの笑いなしの横山くんの映像はそれはもう美しくてかっこよかったです、ちょっと「こんなに美しいのにしゃべるととても面白いんだよ!」と全世界に言いたい気分でした(やれやれ)。上田くんも楽しかったです、ディズニーランドとかのアトラクションみたいな大掛かりな仕掛けが出てきたときはびっくりしました。ちょうど田口くんが見に来た回で、座席がアリーナ席の真ん中あたりだったので、スタンドでノリノリで楽しんでいる田口くんがよく見えました。

ジャニーズ以外だとAAA、やなわらばーですが、AAAはなんかジャニーズのコンサートぽかったです(アイドルのコンサートはみんなああいう仕様なのかな)。西島くんの歌と日高くんのダンスが特に良かったです。

やなわらばーは300人くらいしか収容できない青山円形劇場でのライブだったので、近い近い。最初に書道家の人が出てきて大きな半紙2枚に墨で字を書いてその半紙(というか掛け軸)が上に引っ張られて吊り下げられて幕開けになります。ステージには楽器(三線、ギター、キーボード)とコント用の畳敷きのセットなどがあって、そこでトークやら歌やらラジオ収録やらをやりました。歌は相変わらずとても良かったです、本当に美しい声、ハモリ。彼らの歌も生でもっともっと何度でも聴きたい。すばるくんじゃないけど、テレビやCDで聞くより生の方がはるかに素晴らしいです。ファンが濃かったです(熱いというより濃い)。

Jポップの感想は以上。次にクラシックの感想の続き。
一番大切なウィーン少年合唱団について触れていなかったのでね。今年のクラスはカリスマあふれるソリストはいなかったですが(でも、トップソリストのルーカスくんはかなり好きでした。顔じゃないですよ、顔もですけど、歌が。「主はダニエルを~」のときの凛々しい少年らしい歌声と「ワ・ハビビ」の柔らかい美しい歌声それぞれとても素晴らしかったです。声量はそれほどあるわけじゃないけれど、「ワ・ハビビ」のトリルを聞いているとテクニックのある子だとわかります)、ハーモニーがとても綺麗でよかったです。ピアノ(フォルテに対するピアノの方)が苦手かなと思ったのですが、6月に当日券で1階の前の方に座れたのですが、ピアノも上手に歌っているのが分かりました。それとこのクラスはゆっくりな曲がとにかく良かった、リタルダンドの部分も一糸乱れずきれいに丁寧に歌っていたのが印象的でした。「ウナ・ホーラ」が何回聞いても良かったです、もう2010年組といったら「ウナ・ホーラ」というくらい、彼らの「ウナ・ホーラ」は私好みでした。6月の公演からプログラム変更があって、モーツァルトの戴冠ミサとバッハが加わったんですけれども、これまた良かった、特に前記当日券で入った回の戴冠ミサは素晴らしかったです。

あとはボニ・プエリかな、相変わらずボーイソプラノの団員と男声部の団員が一人ずつ交互に日本語で司会をしていくスタイルでした。今年のクラスは結構レベル高かったんじゃないかな、「ハレルヤ」とかかなり良かったし、全体的に聞きごたえがありました。

来年は、来年は、とうとうモンセラートが来日するんですねshine 待っていましたよ、モンセラート。楽しみです。モンセラートというと、ビブラートがすごいというイメージなんですが、今はどうなのかな。先日サグラダ・ファミリアにローマ法王が来てミサを行い正式に教会になったそうですが、そのミサの様子を映した映像のDVDをスペイン人の知り合いが送ってくれたんです。その中でモンセラートの子たちが聖歌を歌っていたのですが、そんなにビブラートは目立たなかったです。何はともあれ、とても楽しみ。

それでは皆様、良いお年を。幸せな一年を迎えられますように。

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2010.12.30

2010年に行ったコンサートの記録 &クラシックの感想①

大変ご無沙汰しておりました。いつになく仕事仕事の一年でしたよ(私基準で)。コンサートもあまり行けなかったのですが、個人的に満足できるものが多く、しっかり命の洗濯ができました。一つ一つ感想を書きたいところですが、時間もないし大分記憶も薄れてきているので、昨年同様、簡単に備忘録的にまとめたいと思います。


1月1日(金)  関ジャニ∞カウントダウンコンサート(@京セラドーム)  ←31日夜からの年越しコンサート

4月8日(木)  リベラ(@オーチャードホール)
4月9日(金)  カルミナ・ブラーナ(@東京文化会館)
4月25日(日) 関ジャニ∞横山くんソロコン(@東京国際フォーラム)

5月1日(土)  ウィーン少年合唱団(@座間ハーモニーホール)
5月4日(火)  ウィーン少年合唱団(@サントリーホール)
5月7日(金)  ウィーン少年合唱団(@アクトシティ浜松)

6月5日(土)  ウィーン少年合唱団(@みなとみらいホール)
6月11日(金) ウィーン少年合唱団(@東京オペラシティコンサートホール)
6月12日(土) ウィーン少年合唱団(@東京オペラシティコンサートホール)

7月10日(土) エヴァ・メイ ソロ・リサイタル(@紀尾井ホール)
7月17日(土) KAT-TUNコンサート(@東京ドーム)
7月24日(土) KAT-TUNコンサート(@東京ドーム)
7月25日(日) トリノ王立歌劇場「ラ・ボエーム」(@神奈川県民ホール)

8月1日(日)  トリノ王立歌劇場「椿姫」(@東京文化会館)
8月7日(土)  やなわらばーワンマンライブ(@青山円形劇場)

9月12日(日) AAAコンサート(@横浜アリーナ)
9月25日(土) KAT-TUN上田くんソロコン(@代々木体育館)

11月30日(火) ドレスデン聖十字架合唱団「メサイア」 (@東京オペラシティコンサートホール)

12月11日(土) ボニ・プエリ(チェコ少年合唱団)(@新宿文化センター)
12月18日(土) 関ジャニ∞コンサート(@東京ドーム)
12月24日(金) バッハ・コレギウム・ジャパン「メサイア」(@サントリーホール)


・・・仕事仕事と言いながら結構行っていますが。関ジャニのコンサートが1回だけ(しかもドーム)なのが悲しいです、京セラドームで元旦に行なわれるツアーオーラスのチケットを譲っていただけたので、これからもう1公演聴くことができますが(本当にいつもありがとうございます←私信)。

ジャニーズ関係は明日書くとして、クラシック関係の簡単な感想を。
どれもとても良かったのですが、その中でも白眉だったのが、8月のトリノ王立歌劇場の「椿姫」でした。私の好きなコロラトゥーラ・ソプラノのナタリー・デセイがヴィオレッタ役ということで見に行ったのですが、まあ、デセイが素晴らしかった。演じることが好き(女優を目指していたんだったかな、確か)なだけあってヴィオレッタになりきっており、それは歌においても同様で、何と言いますか、“ヴィオレッタを演じているナタリー・デセイが歌っている歌”ではなく“ヴィオレッタが歌っている歌”、ヴィオレッタの思いが痛いほど伝わってくる歌声でした。いやもう、我ながらびっくりしたのですが、ヴィオレッタの死ぬ場面で、号泣とまでは行かないまでも、結構しっかりと涙してしまいまして。まさかイタリア語のオペラを字幕追いかけながら見ていて涙するとは、見る前には夢にも思いませんでしたよ。

デセイのリサイタルに2回行ったことがありますが、オペラのほうがたくさん歌が聞けておいしいですね、特に「椿姫」は出ずっぱりですし。「乾杯の歌」も素晴らしかったなあ、最初に歌ったテノールのマシュー・ポレンザーニがやや軽い線の細い声だったので、彼女の歌の迫力に圧倒されました。ポレンザーニは、今書いたように線が細く軽い感じはありましたが情熱的な歌声で、やはり感情移入できました。歌そのものの上手さという点では、アルフレードの父親役のローラン・ナウリの方が良かったような(この父親はヴィオレッタを追い出したり持ち上げたり何がしたかったのか意味不明)。

私が行った日がオーラスで、カーテンコールも何度もあり(デセイのテンションが高い高い)、最後には赤と緑と白の紙テープ(?)がイタリア国旗のような配色で舞台の上から下がってきて、イタリア語でお礼のメッセージを書いた幕みたいなものが降りてきました(幕だったかボードだったか忘れましたが)。会場から出るときにはトリノのチョコレートも配られました。

トリノは、「ラ・ボエーム」にも行ったんですけれども、個人的には「椿姫」の方が良かったです。フリットリの歌声もとても素晴らしかったのですが、あくまでミミを演じているフリットリの歌で、ミミの歌ではなかった(瀕死のミミの歌声のほうが、体は元気なムゼッタの歌よりパワフルでした)。まあ、それ以上に、単純に曲が「椿姫」の方が好きだったのもありますが。両方ともほぼ初聞きだったんですけれど、「ラ・ボエーム」は歌と伴奏の旋律があまりかみ合っていないんですね(もちろん全部ではないですが)、関係のない歌と伴奏が組み合わさっているようなバラバラ感があり(あくまで私見)、そのあたりがちょっと個人的にはいまいちでした(歌と伴奏だと全体的に伴奏の旋律の方が良かったなあ、なんか楽器だけでその旋律だけを聴きたいと思うものがいくつかありました)。そこ行くとモーツァルトはやっぱりすごいなあ、歌と伴奏が絶妙に絡み合って素晴らしい相乗効果をあげている。素人にも分かりやすい良さがあります。

・・・途中からプッチーニ・バッシングになってきたのでこの話はやめにしまして。あと、素晴らしかったのが、エヴァ・メイコンサート。本当に良かったです、以前のソロリサイタルのときよりもコロラトゥーラ・ソプラノの本領が発揮されていたコンサートでした。声がとっても可愛いんですよね、この人は。高くよく通る声をしている。それで素晴らしいテクニックを駆使して美しくも迫力ある歌声を聞かせてくれました。イドメネオだったかな、低音から高音へ、また低音から高音へというのが3回連続する箇所を、それぞれ違う声の響かせ方でそのどれもが素晴らしい技術で歌い上げたのは本当に圧巻で、感動しました。

それから、メサイアですね。ドレスデン目当てで行ったメサイアでしたが、例によって通して聞くのは初めてだったんですけれども、知っている曲が多く、とても良かったので、急遽クリスマス・イブにバッハ・コレギウム・ジャパンのメサイアにも行くことにしました。どちらもとても良かったですが、バッハ・コレギウムのほうが、オケの人数が少なく、ソリスト、合唱、オケの音の大きさのバランスが取れていたと思います。あとまあ、合唱が大人なので、少ない人数にもかかわらず非常に声量がありましたし、やっぱり技術的に上手いですね(ドレスデンの子たちもよくがんばっていましたが)。ただバッハ・コレギウムの方は仕事で前半30分聞けなかったのが残念でした。

バッハ・コレギウムに行くことにした大きな要因の一つが、アルトパートを、往年のドラケンスバーグ少年合唱団の名ソリストにして、現在カウンターテナーで活動中のクリント・ヴァン・デア・リンデくん(線の緩いコリン・ファレルといった風貌)が担当するということでした。まあ、今年は、4月にマックス・ツェンチッチの歌も聞きまして(カルミナ・ブラーナ)、同時期に活躍した二人の天才ボーイソプラノのその後を生で聞く機会があったわけですけれども、まあどちらもカウンターテナーですか。子供のときにあそこまで完成してしまうと、男性の歌い方に移るのが難しいのかなと素人は思ってしまいます。まあ、普通にバリトンやっている人もいるけれど・・・。でもパウル・エーデルマンくんなんか子供のときからバリトン歌いだったしなあ。

クリントくん(もう「くん」という年齢ではない)は、子供時代と同様、気持ち安定感に欠けるけれど、しっかりした声量とテクニックで聞かせてくれました。ドレスデンのメサイアではソプラノが担当した「If God be for us」を、バッハ・コレギウムではクリントくん(つまりアルト)が歌っていましたが、この曲はボーイソプラノ時代のベジュン・メータが歌っていた印象が強いんですね。これです。私はこのラストの高音がすごく好きなのですが、クリントくんは低音に下がって終わるバージョンで、ちょっと残念でした。ちなみにクリントくんの天才ボーイソプラノ時代がこれです。ベジュンもクリントくんも子供とは思えないテクニックですね。

いろいろ検索していたらすごいのを見つけのたでこれも貼っておきます。Jacques Imbrailoくんという子。今はバリトンをやっているそうです。

メサイアはこれ自体が長いせいか両公演ともすごいテンポの良さでした。曲の終わりなんて、せっかちの私が「もうちょっと余韻を・・・」と思うほど、潔いまでにスパッと切っていました。両公演とも合唱のみアンコールがあって、ドレスデンはハレルヤを歌っていました(ただでさえテンポの良かった本編のハレルヤのさらに倍速←ちょっと大げさ)。ドレスデンの子たちの歌もとても良かったですよ、ちょっと歌の輪郭がぼやけるところがありましたが、ボーイソプラノ好きには大満足の合唱でした。

簡単な感想のはずがレポ込みになってきて思いのほか長くなったので、ここで一旦切ります。明日残りのクラシックとJポップについて書きます。

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2009.10.25

オペラとジャニーズオペラ(笑)

以前ブログに書いたナタリー・デッセー出演のオペラ「椿姫」とバルバラ・フリットリ出演のオペラ「ラ・ボエーム」のチケットが取れました。両公演とも安い方の席はなんかの会員の先行販売ですでにいっぱいになってる状況で、予算上限の2万円をかろうじて切るD席がなんとか取れて良かったです。まあ、今年の冬はなぜか少年合唱団の来日コンサートがまったくないようなので、もう少しお金を出しても良いかなとも思いましたが(どちらにしろ何万単位で出すのならちょっと奮発して良い席にした方が聞きにいく甲斐があるような気がしますし。声楽は座席の位置で聞こえ方が全然違いますから。オーケストラはどこで聞いてもすさまじい大音量だけど)。実際の公演は来年の夏なのでまだまだ先の話ですが、楽しみです、デッセーと森麻季さんの初オペラ、初フリットリ、初生アルバレス。

さて、オペラといえば、今日はジャニーズオペラ「ドリームボーイズ」の千秋楽ということで。まあ、ジャニーズ内でもそこそこ大流行のインフルエンザの影響を受けることもなく、その他の病気あるいは怪我もなく、無事東京・大阪両公演が幕を閉じることができて何よりです。出演者の皆さん、お疲れ様。自分は、今回は(「今回は」って、今回のドリボが初生ドリボだったんですけれども)、帝国劇場の9月22日のすばるくんの誕生日公演の昼・夜の両公演と、梅田芸術劇場の10月21日の昼の公演に行きましたが、そのどれもとても楽しかったです。もともとはお誘いいただけた9月の公演だけのつもりでしたが、いつものことながらすばるくんがいろいろな意味で本当に素晴らしくて、どうしてももう一度彼の歌と舞台演技とフライング(笑)を楽しみたくて、梅田まで遠征することにしました。正直、ドリボで大阪まで行くことになるとは思いもよりませんでしたよ・・・。私は今年いくら彼につぎ込んだかなあ、すばるくんで破産しそうです。

もちろん亀梨くん、手越くんもとても良かったですし、ほかの出演者も皆さん良かった。内容的にはツッコミどころ満載でしたけれども(まあ、それでこそドリボ)、一つのエンターテイメントとしてそれなりに魅せてくれる舞台だったと思います。すごく宝塚っぽい舞台なんですね(ほかのジャニ舞台もそうなのか知りませんが)。どうせなら宝塚と同じく、1幕・劇、2幕・ショータイムでもよいのになあ。

舞台の詳しい感想を出来たら書きたいです・・・無理かもしれませんが。

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2009.09.09

「ミヒャエル・ゾーヴァ展」

今日、横浜そごうのそごう美術館で開催されている「ミヒャエル・ゾーヴァ展」に行って来ました。例によって私にとっては初めてその存在を知る画家だったんですけれども、今日は午後半休をもらったので横浜で買っていなかったF1雑誌や女性誌を求めて本屋をはしごしているときに、そごうで宣伝のポスターを見てそれに載っている絵のタッチが気に入って急遽見にいったというわけです。

この人は現代の画家で、映画「アメリ」の中に出てくる絵や小道具のデザインを担当したり、同じく映画「ウォレスとグルミット」の背景のイメージを提供したり、はたまた母国ドイツの絵本の挿絵を描いたりといったサブカル的な分野でも活躍している人です。非常に緻密でリアルな静物画・風景画の中に、非現実的な形で動物や人間を入れ込み(電線に鳥のように豚がとまっていたり、波の高い海のど真ん中に1枚の小さな板の上に立って読書する男性が描かれていたり)、結果としてなんともシュールな世界をつくり出しています。個性的で面白いと言えば面白いのですが、それほどその世界観が私にとってツボでもなく好き嫌いを超越した衝撃的なものというわけでもない上に、展示してあるほとんどの絵が題材こそ違えど同じタッチ同じ世界観で描かれているものなので、後半は正直軽く飽きてしまいました。

ただ、絵のタッチはやはりかなり好きです。すごく細かくて写真のようにリアルなのに印象が柔らかい。絵の雰囲気も好きです、全体として薄暗くて、夜とか雨が降りそうな曇りとか雨の降ったあとのどんよりした天気とかそんな中での風景や光景を描いているイメージ。家の中の絵も、外の天気は今並べたような状態で、しかもどこかからうっすら差し込む光で部屋の中の様子が浮かび上がっているような絵が多くて、どことなく不安感を煽るような物寂しい風情がありました。個人的にはシュールな部分よりもそちらに惹かれました。

この人の写実的な風景描写の中でとりわけ気に入ったのが海というか波です。白い水しぶきが本当に美しく描かれていてなんだかキラキラして見え、なんか飽かず眺めてしまいました。海原を舞台にした絵をもっと見たいと思いました。

そういうわけでなんやかんや言って楽しんだということです。

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2009.07.13

残念いろいろ

昨日のドイツGP、ライコネンが例によって例のごとくだったという情報を得たので、例によってハードディスクに録画したまま未見であります。まあ以前からドイツにおけるレースとライコネンとの相性の悪さは、必然と言っていいほどの確実さで顕著に現れていましたけれど、今年のように「全レースが“ドイツにおけるレース”状態」だとなんと言いますか、いつものように「まあ、今回はドイツGPだったから」という慰めが使えないので救いようがなくて困ります(というか、ライコネンファン人生において、こんなにも“ドイツGP”に対する不安と恐怖が相対的に薄かった年はないです、結果はいつもどおりでしたが)。うーん、というか、実際には“ドイツにおけるレース”以下なことが多いような・・・(全部ではないけれど)、この人、確かにドイツでは結果はリタイア(もしくはそれ同然)が多かったけれど、スピードに関して言えば決して相性悪くなかったから(遠い目)。

あと、昨日はフェニックス少年合唱団の歌を比較的近い場所で無料で聞ける機会があって、自分も行こうと思えば行けたのに行かなかったのを、一日経った今もちょっと残念に思っている次第であります、それをこういうところで書いて何の意味があるんだと自分でも思いますが。ライコネンのレースと違ってこれは自分の一存に依るものだけに。一人で行った妹から感想聞きましたけれど、やっぱり自分の耳で聞いてみたかったなあ。実のところ、フェニックスについてはよく知らないのですが、指導しているのが92年来日のウィーン少年合唱団のカペルマイスターというところに興味をひかれているんですよ。歌声の美しさもさることながらその豊かな音楽性に大変惹き付けられた92年組の合唱を指揮したシュタンゲルベルガー氏が指導したのなら、あの音楽性に触れることが出来るかもしれないと思って。何しろ前も書いたと思うけれど、若干食傷気味のドイツリートやシュトラウスのワルツを、深い感激をもって食い入るように聞きましたから。まあ、私の感性と合っているということなんでしょうけれど・・。時々ほかの音楽を聴いていてもそういうことがありますけれど、なんといいますか、「この曲はこう演奏されるべき」演奏に感じられる、そういう合唱なんですよね、自分にとって92年組の合唱は。

まあ、でも家から出たくなかったんだから仕方がない。来週は石川まで関ジャニ聞きに行くし・・・。長野も行きたかったなあ、妹が長野公演に行ったのですが、マルちゃんがKAT-TUNの「ドンスト」歌ったそうですね(さびだけみたいだけど)、聞きたかったです。

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2008.03.30

「放浪記」見てきました

かなり前ですが(3/13)。

都合が悪くなっていけなくなった知り合いの方がチケットを譲る相手を探していて、まあ、あれだけのロングラン舞台、機会があったら見てみたいとも思っていましたし、日程もちょうど良かったので、立候補してチケットをもらって行ってきました。

会場のシアタークリエは、2階のわずか8席のバルコニー席を除いては1階にしか座席がなく、定員600余名のとても小さいホールでした。こんな小さいホールにジャニーズが11人もいたら(1900回公演のときのことです)それは大騒ぎになったんじゃないかと思ったのですが。

まあ、平気だったでしょう。何しろ客の年齢層が高い高い。決して若いとは言えない自分が、久々にこの場における最年少ポジションではないかと思うくらいです(いや、そういえば、いつも職場の事務室では最年少だった、普段の自分の態度があまりに大きすぎて忘れていた)。絶対ジャニーズ知らなさそう・・・。まあ、ジャニーズって意外に認知度高いから知っているかもしれませんが。

私の席は最後列の一番端で、こんな小さな劇場でも私の席からは出演者の顔の造作が見えず、事前に出ると分かっている人以外プログラムを見ないと全く誰だかわかりませんでした(また、名前しか知らない人や名前も知らなかった人が多かったし)。そんな具合なので、当然表情も見えず、もっぱら台詞と仕種の演技で舞台を楽しむことになりました。

でも、それで良かったような。森光子女史は驚異的ながんばりでしたが、やはり90歳近い年齢の人が20代を演じるのは無理がありましたから。声や話し方が明らかに20代(そして、30代、40代)のそれではないので(というか、どうがんばっても70歳以上)、今は大体何歳の頃の芙美子を演じているのか台詞ではっきり言ってもらわないとわからないのですよ(特に私のように「放浪記」の内容も林芙美子についても全く知らない初観劇の人間には)。まして、近くの席で顔がはっきり見えてしまったら、なおさら年相応にしか見えず、わけがわからなくなること必至だったと思うので、遠い席で良かったと思いました。

まあ、林芙美子自身は40代で亡くなっている人なので、もうすでに何十年も前から光子女史とは年齢的に全くつりあわない役柄であったのをこんにちまである意味強引に続けてきたわけで、この舞台はあくまで「森光子女史の放浪記」であって、(90歳近い)森光子女史が演じている(出演している)ことに意味があるのでしょうね(だからこそ、せめて20代くらいは若い女優にやらせるということもあえてしていないのでしょう)。そして、それが全てのような気がしました。極端な話、「放浪記」である必要も全くないわけです、たまたま「放浪記」だっただけで。

何年も続いている舞台ですから、何かしらの舞台としての(森光子女史と切り離した部分での)売りといいますか、「この場面がすごい」というような物語なり演出なりの見せ場があるのかと思いましたが、淡々と芙美子の生涯を追っていくのみで特にそういったものはなく、しかも全体的に前の幕と後ろの幕とのストーリーのつながりもイマイチで、なにぶんお芝居を見に行ったことのない身ですからお芝居一般のレベルというのはわかりませんが、若干の失望があったことは事実です。

ただ、森光子さんは、年齢を考えるとすごかった。台詞が飛んだりつまづいたりすることもなく(少なくとも初観劇の自分にはそう見えました)、どの台詞も渇舌が良くて内容がきちんと聞き取れましたし、動きも軽快で、何よりほとんど出ずっぱりだったことに感心しました。自分は、仕事柄、彼女と同世代の方たちと接する機会が多いのですが、年齢に比べて若々しい方はたくさん知っているけれど、あそこまでやれる体力の人はちょっと思いつかないです。最後の幕では、さすがにちょっと疲れが出ていたようですが(いや、芙美子が人生に疲れたのか本人が体力的に疲れたのかちょっとそこらへんわからなかったので)、よくあそこまでの長丁場をあの年齢で出来るなあと心底感心しました。

最後は一度幕が降りてから、もう一度幕が上がって、森光子女史一人が無言で挨拶して終わりました。出演者全員によるカーテンコールはないんですね、オペラみたいに。

ほかの出演者で印象的だったのが、田村役若杉宏二。初めて見る(というか初めて存在を知った)役者さんだったんですが、顔はよく見えなかったから表情云々はわからないんだけど、台詞回しや仕種がかっこよくて、絵になるやくざっぷりでした。

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2008.01.17

アンカー展に行ってきました

昨日は仕事が休みだったので、渋谷・Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中のアンカー展を見に行きました。19世紀スイスの自然主義の画家、アルベール・アンカーの作品展です。本国スイスでは大人気の画家だそうですが、日本ではほとんど知られていなくて、当然私もその存在すら知らなかった人物なんですけれど、まだこの展示が始まる前に電車のつり革広告でこの人の絵(2匹の子猫を抱いた少女の絵)を見て、一目で気に入って絶対見に行くと決めました。めちゃくちゃ私好みの絵なんですよ、写実的で柔らかなタッチのとても美しい絵なのです。

で、実際行ったのですが、すごく良かったです。好みの絵というのも大きいですが、なんといいますか、絵全体の雰囲気というか絵の中の世界がまたとても良いのです。故郷の村(スイスのインス村)の、特に子供、女性、老人たちの、何気ない日常の光景を描いたものが多いのですが、そこには、ゆったりとした時間の流れの中で、画家の目(=他人の目)を気にすることなく自意識というものを全く感じさせないほどに、自分(たち)だけの空間で自分(たち)だけの作業に没頭している人々の姿が描かれていて、その素朴ながら幸せそうな平和でのどかな光景に、見ていてなんとも心が温まり気持ちが安らぐのです。

絵そのものについてはすでに上で軽く述べたとおり。非常に細かくて丁寧な筆致で写真のようにリアルでありながら、同時に写真にはない絵ならではの柔らかな美しさや画家独自の陰影のつけ方がもたらす独特の雰囲気があって、どの絵も大変惹きつけられました。あのリアルさはすごいですね、人物の肌質や服・物の素材の質感がはっきり見て取れるのはもちろんのこと、頭を取り巻く後れ毛や目の粗いセーターの毛羽立ち、瓶の透明感、古い本の擦り切れた紙など、本当に細かな部分まできちんと描きこまれています。あまりにリアルなのでどういう風に色を置いたり筆を動かしたりしているのだろうとできるだけ近くに寄って見てみましたが、近くで見ても私のような初心者にはちょっとわからないほどに、筆の跡も色の重ね具合も絵に同化してそれそのものの痕跡が無くなっていました。

面白いのが、基本、人物を中心に大きく配した構図で(静物画を除く)、人物と必要な小道具は非常に丁寧にリアルに描かれているのですが、その背後の景色やメインじゃない小道具は結構ぼんやりデフォルメして書かれていてパースもかなり適当だったりすることです。それが、画家の気まぐれなのか、写実的な絵の中に埋め込んだ彼なりの何らかの自己表現なのかはわかりませんが。

いつも美術展に行っても図録は買わないのですが、今回は見る前から買うと決めていました。で、買ったのですが、やっぱり生とは違うんですよね、同じ二次元のものなのに、あんなにも生き生きと日常の一場面をそのまま切り取ったみたいだったものが、なんでこんなにもただの絵になってしまうのだろうと思うくらい薄っぺらくなってしまう。色の見え方も微妙に違うし、つぶれて見えない部分もある。これらは最初から印刷の限界としてわかっていたことなんだけど、一枚一枚食い入るように見てじっくり堪能してきたものだと、特に実物との違いが見えてしまうから・・・。元々そんなに絵に関心のない人間なので、絵なんて画集見ていれば充分だと思っていたのですが、生の方が良いということを今回つくづく感じました。何事も生ですね、本当。

グッズもいろいろ欲しくて、もう絵葉書などすべて買い揃えたいくらいでしたが、図録を買ったので我慢し(でも、絵葉書の方が本物の風合いが出ているような気がしたんだけど気のせいかも)、前から必要だったしおりだけ買いました。本当に良かったです、この展示。もうすぐ終わりなんですよね、もう一回行きたいなあ。このところ、後々まで余韻が残るほどに気に入った、自分にとって当たりの展示会が続いて、嬉しいです。

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2007.12.07

ムンク展に行ってきました

昨日のレコメンで、三馬鹿勢ぞろい&すばるくんが「聖闘士星矢」主題歌を歌ったと聞いて、かなり気になっております。懐かしいなあ、「聖闘士星矢」。昔、自分の周りでえらく流行っていました、いや、自分も好きでしたが。すごく好きだったんだけど、「聖闘士には同じ技は2度は通用しない」の原則が主人公サイドにのみ都合よく適用されているのが気になって仕方ありませんでした。少年漫画につっこむなと思われるかもしれませんが、つっこんでいた当時、自分、子どもだったから。

おととい、上野の国立西洋美術館で開催中の「ムンク展」を見に行きました。上野はうちからは遠いので、上野にある美術館で開催される企画展は、それほど絵画に興味があるわけでもなく造詣が深いわけでもない自分は滅多に行くことはないのですが、たまたま通勤途中の電車の中で見かけたムンク展のポスターの「不安」になんだか知りませんがものすごく心惹かれてしまってムンク展に行きたくてたまらなくなるという、自分にしてはまれに見る経験をしましたので、行くことにしたわけです。まれに見るというか、初体験ですね、今までの人生で絵画に何らかの形で心を動かされたり深く感動したりしたことが全くと言っていいほどないので。あの絵見てあんなに心惹かれるなんて、あれかな、疲れていたのかな、やっぱり。いろいろ体調悪かったし。ブログでは元気にミーハーしていましたが。まあ、その程度の体調の悪さということですが。

まあ、実際にはそれから数日経って行ったので、大分テンションが落ち着いてから行ったわけなんですけれども、個人的にはとても面白かったです、上野まで行って良かったです。以下、上でも書いたように絵画に特に興味があるわけでもなく造詣が深いわけでもなく、ムンクに関しても、「思春期」と「叫び」しか知らない超ムンク初心者の感想です。

今回のムンク展は、ムンクの絵画の「装飾性」にポイントを置いたものだそうです。なんか自分の作品の中でも最も中心的な作品(有名な「叫び」も含まれます)に『生命のフリーズ』という名をつけて、それ全体を一つの作品と考えていたそうで、しかもムンク自身、これを装飾的な絵画として位置づけていて、その『生命のフリーズ』を壁に帯状に並べた建物(彼曰く「芸術の礼拝堂」)を作ることを夢見て、何度も自分の作品を実際に並べてみたりしたそうです(その写真も残っています)。ムンクはほかにもいろいろな装飾目的の絵画を手がけていて、個人の邸宅や劇場、大学の講堂や工場の食堂、市庁舎の壁画用の絵(またはその習作)を残しています(実際には構想のみで終わったものもありますが)。

ムンクの超初心者の自分は、この人は、何かを主張したり訴えたりする手段としての絵画を描く人だと思っていましたから、装飾画家としての側面も持っていたとは意外でした。絵のタイプは「思春期」のようなちょっと写実的なものと「叫び」のような表現重視のデフォルメされたものに大体二分されるようですけれど、思いのほか明るい色使いや明るいテーマのものが多いということも今回の展示で初めて知りました(もちろん、「死臭」のような“景気の良い”テーマのものもいくつもありますが)。もっとも、展示を見た後に、美術館で売っていたムンクの一般の画集を見たら、この展示を見て感じたムンクの作品の特徴というか個性が、必ずしも当てはまらなかったので、この展示はあくまでムンクの中での「例外」を、殊更にクローズアップしたものではないかと思います。

この展示では、『生命のフリーズ』シリーズを中心に、個人住宅の装飾や、ベルリン小劇場、フレイア・チョコレート工場の食堂、オスロ大学講堂、オスロ市庁舎の壁画をそれぞれコーナーにわけて展示してありました。『生命のフリーズ』に関しては、一連の作品としての連続性とか関連性が自分にはよく分からなかったので、イマイチ一つの作品としての何かを感じることはなかったです、まあ、そういう見方をするものではないのかもしれませんが。

この『生命のフリーズ』が一番面白くて、自分でも意外なほど熱心に見入ってしまったのですが、思ったのが、どんな暗い絵でも、必ずこの人は「赤」を入れるんですね、しかもちょっと朱色がかった赤色が。それが、時に絵に明るさをもたらし、時に不気味さを加えているのですが、とにかく、どんな作品にも小さくでも赤が入っているのが印象に残りました。

自分の中でとりわけ印象に残った作品は「病める子供」と「不安」です。「病める子供」はベッドに半身を起こした状態で入っている病気の少女とその子の手をとってうなだれる母親らしき女性の絵で、それはもう、暗い色彩の暗い気が滅入りそうな絵なんですけど、なんというか、母親は少女の死を予感して絶望し、少女は自分の死の運命よりもその母親の絶望を悲しんでいる、そういう、お互いに対する思いやりと深い愛情が伝わってくる絵なんですよ、まあ、これはあくまで私ヴィジョンの私解釈なんですが。決して写実的ではないのに(「叫び」系よりはずっと写実的ですが)、もしかしてそれゆえかもしれないですが、非常に感情移入した1枚でした。

そして、今回行くきっかけをくれた「不安」ですね。この絵、ほかの「叫び」や「絶望」などの「ザ・ムンク」な絵の中でも特に強烈に自己主張のある、というか見ている人間の感情に直接作用してくる絵だと思います。絵だけで完結しているのではなく、絵とタイトル、そしてこれを見た人が受ける心理的なインパクト、これが合わさって「不安」という作品になる、そういう作品だと思いました。

というのも、登場人物に「不安」感を感じないんですね、彼らの顔は生気がなく無表情で、感情も自分の意思もなく、当然不安を抱えているようにも見えず、ただ機械的にこちらに向かって歩いている。そうしてそういう人の群れが延々と続いている。感情や思考が伝わってこない人間に対しては誰もがなんらかの恐怖感とか気味の悪さとか「不安」とかを感じると思うのですが、そういう人間に対峙したときのような感覚を、見ている側が覚える絵だと思います。そして、彼らがどこから来てどうなってしまうのか全く読めない世界観が、それに拍車をかけます。描かれている人物が「不安」なのではなくて、その世界が「不安」なのでもなく、見ている側が「不安」になる、見ている人間に「不安」を与える、それゆえに「不安」とタイトル付けられた絵のように、私は思いました、あくまで私ヴィジョンの私解釈ですが(そういう意味では、「叫び」や「絶望」は絵だけで完結しているんですよね。だからちょっと個性的な、でも普通の絵なんです、あくまで。これも私解釈ですから、あくまで)。先にも書いたように、今まで自分は絵画で感情を揺らされたことのない人間ですので、この絵が初めて私の感情に直接働きかけた絵となったわけで、そういう意味でも特に印象に残った一枚です。

自分は、絵画に関しては、画家の技術を楽しめる写実的なしかも美しい絵が好きですが、ムンクの中では写実的な、市庁舎の壁画用の労働者の絵には全く惹かれませんでした。市庁舎の壁画は展示の最後だったので、疲れてきたというのもありますが、「ムンクである必要がない」と思ったからです。1890年代に主に書かれた、ムンクの強烈な個性と主張が感じられる「ザ・ムンク」な絵の魅力のあとでは、本当に味気なく感じました。何かの描写としての絵ではなく、主張の手段としての絵に惚れるというのは初体験です。基本的に自分は絵にはそれほど強い興味があるわけではないので、これをきっかけにどうのというのはありませんが、新しい絵の見方を示してくれた作品展でした。

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2007.08.30

「早大エジプト発掘40年展」に行ってきました

今日は現在早稲田大学の会津八一記念博物館で開催中の「吉村作治の早大エジプト発掘40年展」を見てきました。出不精の母親が珍しく自分から誘ってきたので一緒に見に行ったのですが、なかなか貴重なものが見られて良かったですよ。まあ、自分は古代エジプトに関する知識が皆無なので、どんなものでも貴重なものに見えるような、はたまた本当に貴重なのかどうか実感わかないような、そんな具合なのですが。

この展示は、吉村作治教授率いる早稲田大学の古代エジプト調査隊の、40年にわたる活動の中で発掘された古代エジプトの遺物を展示したもので、見所は、不盗掘の状態で発見された行政官セヌウのミイラと彼が入れられていた棺です。セヌウのミイラを覆っているミイラマスクは、有名なツタンカーメンのミイラマスクの青色バージョンといった感じで、頭に被っているものは違うのですが、顔はツタンカーメンとそっくりなので(初心者ヴィジョン)、地味なツタンカーメンといった感じで(あくまで初心者ヴィジョン)あまりインパクトがないのですが、青その他彩色が鮮やかに残っているのは驚きでした。

今回の展示で初めて早大のエジプト調査隊の活動と成果(&現代の発掘調査の方法)について知ったのですが、いや、思っていた以上に立派な成果を挙げていて、知ったばかりでこんなこと言うのもアレですが、同じ日本人として嬉しかったです。展示されている遺物の中には備え付けてある拡大鏡で見ないとどんな形をしているかもわからないようなとても小さなものもあり、砂に埋もれた遺跡の中からこの小さなものを発見する彼らの作業がいかに細かく地道なものかを思うと、何千年も前のものが眼前にあることと同じかそれ以上の感動を覚えます。もう少しこの時代や考古学について詳しければまた違うと思いますが。

何しろこの時代について知らないので、時々知っている王様の名前(アメンホテプだのラムセスだのトトメスだの)が出ても、いつの時代の何をやった人か(もしくは何の関係で話に出てくるのか)もわからないので、何を見ても新鮮であり、何を見てもその時代の物を見ている感激がない具合でしたが、勉強になりました。そういえば、アンケセナーメン妃の名前入り指輪の展示のそばに、ヒエログリフの横にルビをふるという形でヒエログリフでアンケセナーメンと表示するとこうなるというのが書いてあったのですが、それを見ると、アンケセナーメンという名前は英語的に読み崩した発音のようですね(「Can I 」を「キャナイ」と発音するみたいな)。いや、英語的だかフランス語的だか(いや、シャンポリオンはフランス人だから)知りませんが、それぞれの音が独立しているときと微妙に発音が違っていました。

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