« 2008F1スペインGP | トップページ | やなわらばーのコンサートに行ってきました »

2008.04.30

ウィーン少年合唱団@横須賀芸術劇場

月曜日の「はなまるマーケット」にウィーン少年合唱団が出演していましたね。団員によくある質問をいくつか聞いた後(そしてもちろん日本人団員の「ヒビキ」くんにも質問。「久しぶりで食べたい日本食は?」みたいな感じの質問に、「たこ焼きと餃子」と日本語で答えていました。まあ、これ、ドイツ語で答えるの難しいですね、きっと)、「千の風になって」をフルで歌っていました。朝なのに比較的しっかり声が出ていると思いました。

その彼らの歌声を、その前日、生で聴いてきました(横須賀芸術劇場・Bプログラム)。自分は2階の奥の方の席だったのですが、さすが朝からでもしっかり声が出る子たちだけあって、しっかり声が届きましたよ。今回のコアの合唱は、とにかく「少年」の歌声だったと思います。女性の合唱団とも、少女合唱団とも、お子ちゃまの合唱とも違う、まぎれもなく「少年」合唱団の歌声。元気が良くて粗削りでどこかそっけなくて、力強くて凛々しいかっこいい歌声でした。特にやや低音部分のユニゾンがかっこよかったです。変声期に入っている子が多いのか知りませんが高音部分が苦しげで、声を出すのでいっぱいいっぱいな感じで、声をしっかり出そうとしてがなり声になってしまったり、高音部分になると歌が走ってしまったり、高音部分に難が目立ちますが、あの、いつになく男の子らしい歌声はとても魅力的に感じました。好きなんですよ、いかにも男の子って感じの合唱。

ソロは結構いろんな子が担当していました。一番多くソロを担当していた背の高い少年(マヌエル・メルトくん?)の声の響きというか声質が、なんて言ったらいいのかな、よくとおるとんがった鋭い声なんだけどハスキー、変声直前っぽい太さがあるんだけど子供のような可愛らしさのある、ちょっと文章だけ見ると軽く矛盾を孕んでいますがとにかくそういう声質で、どことなくなんとなく86年来日組のソリストのゲオルグ・ニグルくんを思い起こさせるものだったと思います(あくまで私見)。この子、おじぎするときなどはニコニコ愛らしい笑顔、歌うときは本当に一生懸命で、見ていて気持ちがいいくらい感じの良い子でした。こういう息子が欲しいと思いましたよ。

日本人団員の「ヒビキ」くんのソロも聞くことができました。「パニス・アンジェリクス」の1番をソロで歌っていたのですが、よくとおる可愛らしい声で、歌も安定していて上手だったと思います。高音も綺麗に出ていて良かったのですが、高音から低音に下がっていく部分を歌うときの低音部分での軽い揺らぎが個人的にはツボでした(例えば「パーぺ パーぺ」の「ぺ」の部分など)。他に「ねむの木の子守歌」でも3人のソリストの一人として歌っていました。

あと、「来たれ、汝ら、芸術の子ら」の「ヴァイオリンをかき鳴らせ」だったかな、それを完全ソロでフルで歌ったカヨーデ・オルクベンガくんも良かったです、少年っぽいクールな歌声でした。個人的にはスピリチュアルソングのソロを彼の歌で聞いてみたかったです。

でも、実際にスピリチュアルソング(何番目の曲か失念。多分1番目以外)でソロを担当した少年二人も良かったのです。双眼鏡でステージを見ていた妹が歌の途中にもかかわらず私の耳元で美形警報を鳴らしたほどの美少年グレゴール・アイゼンフートくん(多分)は、あれかな、変声間近かなと言った感じの軽くハスキーな声でちょっと歌いにくそうな感じでしたが、ウィーン少年合唱団らしい上品な歌い方が良かったですし、もう一人のルイス・フライサーくん(多分)の落ち着きはらったクールな歌い方も曲に不思議と合っていて良かったです。

あと、「ねむの木の子守歌」の3人のソリストの一人、ルーベルト・ヴィンマーくん(多分)も、やはり変声直前っぽい声でしたが、大人びた歌い方で魅力的でした。印象に残っているというか、はっきり記憶に残っている子たちはこれくらいかな、全て人名は「多分」の話ですが。「流浪の民」のソロ(特に「馴れし故郷を放たれて夢に楽土求めたり」の部分のマヌエルくんのソロが良かったです)もどの子もみんな上手でしたし、なんやかんや言って、やっぱりウィーンはウィーンでした。声質や技術に違いや格差があっても、どこかしらにウィーンの響きがあるんですよね。

合唱で特に良かったのは、最初の斉唱で歌ったグレゴリオ聖歌(歌いながらの入場でした、拍手であまり聞こえませんでしたweep )とフォーレの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」です。旋律のもつ風情がよく出ていました。特に「アヴェ・ヴェルム~」はしみじみ聞き入りました。「千の風になって」も良かったですよ、アレンジが日本の合唱コンクールでよく聞くようなパターンだったので、なんだか日本の高校生あたりの合唱を聞いているような気分にちょっとなりました。アンコールで歌った「浜辺の歌」もとても美しくてよかったです。今回、アンコールは「野ばら」(ウェルナー)と「浜辺の歌」で、AプロにもBプロにもない曲を歌ってくれたのが嬉しかったです、なんだか得した気分。「野ばら」は特に好きな曲というわけではないんだけど、宗教曲だの世界の音楽だのが並ぶプログラムの中にぽっと出てくるとどういうわけだか知りませんが妙にホッとした気分になってなんだか癒されます。

プログラムといえば、今回、会場で配られたプログラムにも入っていたスターバト・マーテルがなかったのが残念。あと、Bプロだけかもしれませんが、毎年あったソロ曲またはデュエット曲がなかったのも残念。定番はなくさないでほしいなあ。

そのほかに印象的だったのは「皇帝円舞曲」が短縮バージョンだったことですね。冒頭のいつもはアルトパートが重唱で歌う部分を、第2ソプラノの子がソロで歌詞なしの「ラ」だけで歌ったのも新鮮でした。ウィーンの子が「ラ」で歌うときって実際には「リャ」と発音しているように聞こえるんだけど、この子はちゃんと「ラ」と発音していました、だからどうということはありませんが。

今回のカペルマイスター、イタリアの俳優ステファノ・ディオニジから魔性を抜いたような顔立ち(写真で見る限りでは)のアンディ・イコチェア・イコチェア氏、なにかこう「ホモ・サピエンス・サピエンス」を思い起こさせる名前ですが、なんかこうキョンキョンのように二乗で表記したくなりますね。まあ、あまり名前に食いつくのはやめておきます。この人、こけつまろびつピアノを弾く人の多いウィーンのカペルマイスターの中では珍しくピアノ伴奏がかなり上手いです。しょっちゅう団員の方に顔を向けて、というかほとんど団員の方に身を乗り出すようにしていて、譜面も鍵盤もあまり見ないのに、ミスタッチが少なくテンポも安定していました。「観光列車」のときは気が緩んだのか結構派手につっかえていましたが、それくらいでしたね、本当。

まあ、こんな具合です。総じてカウンターテナー声が多いので、ツアーの最後の方はどうなるのかちょっと心配ですが、まあ、そういう年齢の子たちはそれを上手くカバーする技術を持っていることが多いですから、そちらの方で魅せてくれることでしょう。今回は日本人団員のソロを聴くことが出来たこと、そして彼がなかなか良い歌声をしていたことが、同じ日本人としてとても嬉しかったです。F1で一番好きで応援しているのがライコネンであっても日本人チームのスーパーアグリがなんか気になるように、同じ民族というのはやはり特別枠の存在ですね。

そうそう、プログラムですが、今回のプログラムはなぜかプロフィールページの団員の名前がファーストネームだけしか表記されていません。なんだか芸能人みたいで軽い感じがして個人的にはちょっと・・・。去年のプログラムにあった往年のソリストの現在を紹介するページが今年もありました。78年来日組のヨハネス・ブラウンシュタインくんと86年来日組のミヒャエル・シュヴェンディンガーくんです。現在の写真が主に載っているのですが、シュヴェンディンガーくんの歌っているときの立ち姿に子どもの頃の面影があって、なんだか可愛かったです。なんかアラン・カミング(ハリウッド俳優)みたいな顔になっていたなあ。ヨハネスくんのほうはあれですね、ホアキン・フェニックスをバランスよくしたような顔になっていました。このシリーズ(?)は現在も歌手活動をしている元ソリストをピックアップしているのかな、歌の世界から離れた人たちの話も読んでみたいものですが。

最後に横須賀芸術劇場について書きたいです。おしゃれでした。5階くらいまであるんだけど、オペラ座のような見た目とつくりでした。2階席は正面は1階席の延長なんだけど、そこから左右に続く席は1階と切り離された純然たる2階なのです。素敵だからまた来たいけど遠いから・・・。

|

« 2008F1スペインGP | トップページ | やなわらばーのコンサートに行ってきました »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30221/41025179

この記事へのトラックバック一覧です: ウィーン少年合唱団@横須賀芸術劇場:

« 2008F1スペインGP | トップページ | やなわらばーのコンサートに行ってきました »