« ライコネン、逆転タイトル獲得おめでとう!! | トップページ | 2007F1ブラジルGP »

2007.10.24

「フィガロの結婚」~新国立劇場

ブラジルGPの興奮がいつまでたっても冷めません、いやだって、ライコネンの悲願の初戴冠ですからね、しかも劇的な逆転による。一つ前のブログのコメント返しでも書きましたが、雑誌の出費を考えると今から恐ろしい。またしてもテレビ雑誌系は関ジャニ攻撃を加えてきますし。まあ、がんばって働こう。

さて、そんなブラジルGPの興奮さめやらぬ中、行ってきました、新国立劇場の「フィガロの結婚」。衛星放送で見た7年前のパリ・オペラ座の「魔笛」のパパゲーノで一目ぼれしてから心ひそかに好きだった(いや、結構このブログでは書いているけど)デートレフ・ロートがアルマヴィーヴァ伯爵役ということでとても楽しみにしていたのですが。

ロートが太っていた!

公演始まる直前、私の中に巣くっていた2大不安のうちの一つがロートが太っていたらどうしよう(いや、どうもしないけど)ということだったんですけど(もう一つは恒例のトイレ不安)、ものの見事に的中して、まあ・・・。私が写真なり映像なりで見た何人かのパパゲーノの中で、圧倒的にスレンダーでスタイルの良いパパゲーノだったロートが(涙)。

歌の方はですね、声が意外に大きくなくて、ちょっと存在感があまりなかったような気がする。結構声の大きい歌手が揃っていただけに、ちょっと印象が薄い感じでした。

でも良かったですよ。アルマヴィーヴァの完全ソロアリアが少ないから堪能できたわけではないんだけど、あの若々しくてさわやかなバリトン声にはうっとりでした。本当二枚目声。やっている役柄はかっこ悪いし、本人も目つきが怖く常に不機嫌な演技だし(2階真正面の2列目という、角度は最高だけど、舞台との距離は結構ある座席だったので、あまり表情が見えなかったんだけど、たまに双眼鏡で覗くと怖いんですよ、顔が)、だけど、歌うと本当素敵で・・・(感激)。特に、高音の、あの独特の甘い優しい上品な歌い方、発声がたまりません。

演技は、顔の表情がよく見えないからパパゲーノのときみたいにジム・キャリーな演技だったかどうかわかりませんが、体使ったコミカル演技は上手いですね。なんか、体型のこともあって、パパゲーノとの同一性がどうにも感じられなかったんですが、時々二本足で立っている犬みたいなポーズをしているのを見ると、やっぱりあのときのパパゲーノだと実感がわきました。ジングシュピールのほうがこの人のコミカルな持ち味が活かせる気がします。もっともっとロートのオペラ見たいし、歌も聴きたい。今度はピアノ伴奏のみでリサイタルで聴きたいです。

それから、タイトルロールのフィガロ役ロレンツォ・レガッツォ(バス)が良かったです。私好みの美しいきらきらしたバス声で、たっぷりの声量で華やかに歌っていて、とても良かった。身のこなしもかっこよくて、ついつい目がいきました。もうちょっと歌い方が派手になると自分の好みからは外れるのですが、その一歩手前の、うるさくもないし、物足りなくもない、一番良い具合の歌い方でした。

他の歌手たちは、その「もうちょっと派手な歌い方」の領域に入っていて、個人的には苦手でしたね、多分、オペラ好きの人たちとは全く評価が違うと思います。とりわけケルビーノの歌い方が苦手でした。なんだかビブラートで旋律も歌詞も歌を通じて表現すべき心情も全てかき消されている感じで。ケルビーノの歌手はひときわ耳を惹く美しい声だったのでそれが残念でした。

そんな中では、伯爵夫人役マイヤ・コヴァレヴスカが一番良かったです。美しくてかわいらしいルックスに長身の、舞台栄えする容姿に、真っ白なドレスと白髪のかつらがとっても良く似合っていて、舞台に立っているだけで絵になり、思わず彼女ばかり目で追ってしまうほどでした。演技も可愛らしくて、そうですね、何か問題があるといえば、あんなに美しくてかわいらしい伯爵夫人だったら、いくら伯爵が好色だからって、他に目移りしようがないように思えてしまうところでしょうか(エヴァ・メイもそうだったけど)。

歌の方も、圧倒的な声量と正統派の美しいソプラノ声で感情たっぷりに歌い上げていて、ブラボーの声も飛ぶほどでした。アリアでの哀愁あふれる歌声は、先にも書いたとおり、私の苦手な歌い方ではあるのですが、悲しみが伝わってきて良かったと思います。とにかく、歌にも容姿にも華のある人でした。

こういう感覚の人間なので、さっぱりとした歌い方のスザンナ役中村恵理さんの歌の方が好きでした。あまり高い評価を聞きませんが、声は美しく派手な歌い方はしていなくても声量はたっぷりありましたし、個人的には聴いていて気持ちよかったです。バルバリーナのアリアも良かったですね。ただ、もっと哀感があると良かったと思います。

舞台演出は、オペラ開始時はステージ上に白い何もない部屋(ただの大きな箱)が乗っかっているだけなんだけど、序曲の途中でその白い部屋の奥の壁が開いてどんどん白い箱が中に入れられます。その白い箱と、オペラ途中に入れられる白のクローゼットがいわば大道具で、あとは少しの小道具だけ、というシンプルさです。その箱をいろいろな家具に見立て、舞台チェンジもオケ曲や歌の途中に箱の位置を変えるだけで出来てしまうので、そういう意味では経費的にも時間的にも無駄がなく、抽象的なだけにいろいろ活用ができて、上手い舞台演出だと思います。ストーリーが進むにつれ、舞台となっている大きな白い部屋の壁がどんどん外れて床が傾いていくのも、彼らの関係や状況を示唆する上手い表現方法だと思いました。

その一方で舞台衣装がちゃんと時代設定どおりというのは統一性という意味ではどうなのかわかりませんが、なんでもいいです、あの衣装に身を包んだコヴァレヴスカがあまりに美しかったからそれで全てOKです。あと、演技の面では、何かと人が投げ飛ばされたり壁にたたきつけられたりすることが多く、また上記のように抽象的な演出の一方でセクシュアルな部分に関しては妙にリアルな演技をしていたりするあたりが、個人的には好きではなかったです。

まあ、なんやかんや言っていますが、楽しかったです。でも、知っていたけど、フィガロは長いです。ちょっと長すぎなくらい。おかげでちょっと後半舟こぎました。

|

« ライコネン、逆転タイトル獲得おめでとう!! | トップページ | 2007F1ブラジルGP »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30221/16859607

この記事へのトラックバック一覧です: 「フィガロの結婚」~新国立劇場:

« ライコネン、逆転タイトル獲得おめでとう!! | トップページ | 2007F1ブラジルGP »