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2007.06.13

「だれのものでもないチェレ」/「0:34」

今日は休みだったので、映画を2本見ました(ビデオとDVD)。

1本目は1976年のハンガリー映画「だれのものでもないチェレ」。孤児の7歳の少女が引き取られる先々で虐待される映画で、まったくもって救いのない映画です。安易にハッピーエンドにならないヨーロッパ映画のリアリズムは大好きですが、最後の最後まであそこまで悲惨だと正直きついです。まあ、実話をもとにしているらしいので、仕方ないのですが。

主人公の少女が、無邪気さの中に、何か達観したような、凛とした孤高な感じがあって、だから、見ていられます。彼女の、どんなひどい境遇にも黙って耐え抜く芯の強さと、人に対する優しさや愛情を失わない純真さが、この映画の救いと言えば救いです。でも、一方で、だからこそ、見ていてつらいというのもある。1軒目の引き取られ先では養母にどうにかして愛されようとし愛されていると思おうとし、2軒目の家では1軒目の家を出るときに森で見かけたどこかの母子の姿を見て作り上げた自分の母親像にひたすらすがる姿が、なんとも切ないです。

この少女を演じたジュジャ・ツィンコーツィ がとても素晴らしかったです。とりわけ全てを見透かすような、そして、内に何かを秘めているような強いまなざしに惹きつけられました。森の中で見かけた母子を見るときの謎めいた表情の変化や2人目のちょっとノイローゼ気味な養母が物を燃やしているのを見つめる表情、ラストの、自分がいつの間にか炎に囲まれていることに気づいたときの目の動きが印象的でした。いつも思うことだけど、子役映画を作る監督さんの手腕はすごいですよ、よくあんな幼い子どもから自然な演技を引き出せるなと思います。編集でそう見えるようにしてるのだとしても、それはそれですごいと思います。

2本目はホラー映画です。2005年のイギリス・ドイツ映画「0:34」。

これは普通に面白かったですね。怪物の正体の明かされ方が中途半端ですし、その他つっこみどころを挙げたらきりがありませんが、単純にだれることなくスリルを楽しめました。深夜の人気のない駅という舞台設定は、日常的に利用する身近な場所だけに、そこに一人取り残される恐怖が容易に想像でき、見ていてすごく恐怖心をかき立てられました。その他、地下鉄の無人の電車の中など、シチュエーションで恐怖心を上手く煽っていたと思います。スプラッターものだけど、スプラッター部分じゃないところの方が怖かったです。

主演のドイツ人女優、フランカ・ポテンテの流暢な英語とアメリカナイズされた演技がちょっと意外でした。特に演技のほう。彼女の映画は2本見たけど(「ラン・ローラ・ラン」「アナトミー」)、そちらの演技のほうが好きだったな。

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コメント

おはようございます。
古い日記へのコメントですみません。「だれのものでもないチェレ」について触れておられたので、ちょっと嬉しくなりました。
宣伝になって申し訳がありませんが、「たのみこむ」というサイトでこの映画のDVD化を希望する旨の投稿をしました。URLを入れておきましたので、興味がおありでしたらご賛同よろしくお願いいたします。

投稿: Olya | 2009.08.28 09:53

Olyaさん、こんばんは。
コメントのお返事が遅くなって大変失礼しました。
「だれのものでもないチェレ」は素晴らしい作品だと思いますし、またこの悲惨な事実(社会的な背景も含めて)は広く知られるべきことであることは確かだと思います。
ただ、DVD化賛同についてはちょっとしばらく保留させてください。

投稿: 雪の子キノコ | 2009.08.31 01:23

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