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2005.07.19

「いつか来た道」(日本)見ました

1959年に来日したウィーン少年合唱団も出演している日本映画「いつか来た道」(1959年)を見ました(例によって、妹がとある方から見せていただいたものです。ちなみにテレビからの録画です)。優れたバイオリンの才能を持つ盲目の少年が、以前から文通していたあるウィーン少年合唱団員が公演のため来日すると知って、彼と会うことを楽しみに待つが、合唱団来日直前に不治の病に倒れ余命幾ばくもないことが判明する。彼の地元での公演まで命が持つかもわからないと知った少年の姉は、なんとか弟を団員と会わせてあげようと奔走し、その甲斐あって少年は病床で団員との対面を果たす・・・云々な内容で、全くストーリーを知らなかった自分はいきなりの悲劇の展開にびっくりしましたよ、本当。

少年の役は今現在もバイオリニストとして活躍する和波孝禧です。この少年のキャラはえらく淡白で、病床で対面した文通相手の団員に向かって「顔が見たいなあ」と自分が言ったのに、通訳を通じて少年の思いを知ったその団員が少年の手を取って自分の顔に触らせながら「こうすれば顔が見られるよ!」だかなんだか涙ながらに叫んだのを、あっさりスルーして次の話題にさっさと入ってしまうような、非常にクールでマイペースな子でした。少年の姉役は第一回ミス日本の山本富士子(さすがすごくきれいでした)、あと端役で「あぶない刑事シリーズ」の中条静夫が出ています(自分の中では中条静夫というと「あぶない刑事」なんです)。

特筆すべきは劇中何曲か歌声を披露している59年来日のウィーン少年合唱団。めちゃくちゃきれいです・・・。ソプラノが大人の女性の合唱のような声で、それは美しく揺らいで、高音がふわっと伸びて、素晴らしいです。正直なところ、この映画を見ていて、彼らの歌声に何よりも感動しました。「夕焼け小焼け」が特に良かったです、ウィーンらしい華やかさの中に、曲の情緒も感じられて。逆に、クライマックスの、少年の妹が兄の代わりにバイオリンで弾く少年が文通相手の団員と会ったとき聞かせようとバイオリン用にアレンジした「この道」と合唱団とのコラボは個人的にはあまりぐっと来ませんでした。あのアレンジが洋風すぎて自分の中では違和感があったからかもしれません、だからあくまでも個人的には、です。

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コメント

 1960年、小学校2年の時学校の講堂で見ました。その後20年ぐらいして、テレビの深夜番組で上映されたのを、また見ました。
 盲目の少年が白血病?で亡くなるところを思い浮かべると今でも涙が流れます。兄の後をついでバイオリンを習うことになった妹が、姉の山本富士子と東京へバイオリンの練習に行って、夕方、甲府駅にもどってきたとき、「わたし、お兄ちゃんのように上手になれるかしら」と姉にたずねると「きっと上手になれるわよ」と答えたところが印象に残っています。その時の夕焼けが美しかったです。
山梨県を舞台にした映画で、ブドウ園などの情景もきれいでしたね。(若干の記憶違いはお許しください。)

投稿: astroboy | 2013.09.01 11:04

astroboyさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ここのところブログ活動をしていなかったためにコメントへのお返事が遅くなってしまい、失礼しました。

しばらくこの映画を見ていないので内容についてはうろ覚えなのですが、素朴な美しさのある映画だと思ったものでした。どちらかというとウィーン少年合唱団の歌のほうに重点を置いて観てしまった感がありましたので、astroboy さんのコメントを拝見して、またこの映画を見直したいなと思いました。

投稿: 雪の子キノコ | 2013.09.12 19:14

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