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2004.09.23

ボーイソプラノの魅力

クラシックには、同じ曲をいろいろな演奏で聞き比べるという楽しみ方があります。自分はクラシックファンではないので、オーケストラの演奏などでそういうことをすることはありませんが、ボーイソプラノはよく聞くので(しかもレパートリーがだいぶかぶるので)、ボーイソプラノをメインに、ときどき大人の歌手の演奏を混ぜて聞き比べたりしています(大人の演奏は圧倒的に保有数が少ないですが)。

大人の演奏と子供の演奏を聞き比べると、声の美しさそのものはともかく、発声、安定感、技術、表現力の部分で、やはり圧倒的に大人の方が上です(何人か大人レベルに達しそうな子はいますが)、上手さでは子供は敵いません。やはり歌手は歌のプロなわけですから、歌が上手いということは大前提のことですし、自分も歌を聞く上で、上手いかどうかは大きなポイントになります。にもかかわらず、私は未熟な子供の演奏が大好きですし、大人と子供を聞き比べていると子供の演奏の方に良さを感じることも多々あります。

ボーイソプラノは当然まだ子供ですから、その歌声にもどこか子供のそっけなさみたいなものが感じられます。曲の盛り上がりに沿って、強弱、緩急をきちんとつけているし、それぞれのレベルに応じた技巧も加えていたりしますが、声そのものにはどこか無機質な、無感動な感じを受けます(大人でも曲によって人によってそういうことはありますが)。そして、装飾も少なくさらっと歌い上げます。これは、技術の未熟さから技巧的な歌い方が出来ないというのもありますが、大人に近いレベルでトリルやビブラートができる子供でも、必要な限度でしか使わず、大人に比べるとかなりあっさりと歌っています(おそらく先生に指導された範囲で色をつけているだけなのでしょう)。

そのおかげで、曲の本来持っている美しさがそのままストレートに伝わってくるように自分は思うのです。オペラのアリアの場合、感情的な歌詞が曲にのっかっているわけですが、子供は、歌詞の内容に合わせてというよりも、曲の中の特に美しい部分や心に響く部分に力をいれて歌い上げるので、ドイツ語やイタリア語で歌われて何言っているんだかわからない(しかも歌詞カードで確かめようとしない)自分でも楽しめますし、なにより、全体的に素朴に素直に歌っているだけにそういうおいしい部分の素晴らしさが際立ち、より感動します。また、そういう部分を技巧よりも音と声の美しさで表現するので、技巧の素晴らしさにより本来の曲の美しさが霞んでしまったりぼやけてしまったりすることもありません。素直に無欲にただ曲そのものから受ける本能的な感性にしたがって歌っているような彼らの歌声こそ、声楽の分野の中で、理屈抜きに耳から聴いた音楽を楽しむという、最も原始的で自然な楽しみ方に一番向いているような気がします(そういう意味では楽器演奏に近いので、だったら楽器演奏聞いてろって感じですが、自分は人の声がすごく好きなので、人の声で表現される美しい音楽を楽しみたいのです)。

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コメント

はじめまして。珍しく、素敵なボーイ・ソプラノのCDを聞きましてので、TBさせていただきました。

リガ大聖堂少年合唱団のコンサートには行かれませんでしたが、何年も前に聴きにいったことがありました。
ソ連崩壊間もない頃のことで、子どもたちがとても純粋で、「日本と言う異世界」に胸をわくわくさせている様子が特に印象的でした。

投稿: Matuszynska | 2005.02.01 18:22

こんにちは。

そのボーイソプラノのCD(ジェームズ・レインバードのソロCD)は前から家にあったみたいなのですが、私自身はきちんと聴いたことがなかったので(彼の歌声自体は映画「太陽の帝国」で聴いていますが)、聴く良い機会になりました。聴いてみたら、なかなか良かったです、もともと「太陽の帝国」の「スォ・ガン」もすごく気に入っていたくらいですし。

ソ連崩壊間もない頃ということは、リガ初来日のコンサートに行かれたのでしょうか。純粋な子供たち、きっと演奏もすばらしいものだったんでしょうね。

投稿: 雪の子キノコ | 2005.02.02 13:25

こんばんは!
そうですね。リガ初来日のコンサートでした!とても素晴らしい演奏会でしたよ。国民歌を歌うときの団員(かなり人数が多かったような気がします)の気迫溢れる姿から、祖国愛みたいなものがあふれ出ているような気がして、思わず胸がジ~ンとなりました。団員の中でもロシア語が出来る子とできない子がおりまして、わずかな年の差であるにもかかわらず、教育の違いがこれほど明確に現れていることに驚きを感じました。

バルト3国は合唱がとても盛んなようですね。

投稿: Matuszynska | 2005.02.02 22:03

こんにちは。

リガの初来日コンサートは、時代の流れというか世界の動きが反映された、そういう意味でもとても貴重なコンサートだったんですね。団員の中ですらロシア語の出来る、出来ないが分かれていたというのは興味深い話です。歴史の変化の過程の一部分を、ある意味、生でご覧になったわけですよね、うらやましいです。
ということは、団員と直接話したりする機会があったということですか?

投稿: 雪の子キノコ | 2005.02.03 18:20

そうですね。終演後ロビーでサイン会がありましたし、サイン会に出ない団員たちはバス(会場の前に横付けされていました)の周囲でお客さんたちと話したり、握手したりして、暫しの交流を楽しんでいました。わたしはロシア語ができたので数人の団員たちと話をすることが出来ましたが、小さい子達はロシア語で話しかけても首を横に振るばかりで・・・。年長の団員たちは結構英語もできたようです。
雪の子キノコさんのいらっしゃったコンサートではCDなども販売されていましたか?

投稿: Matuszynska | 2005.02.04 21:02

こんにちは。

はい、私の行ったコンサートでは4枚CDを売っていました。ただその時はトップソリストのソロCDが売っていなかったので、それを含めて今回のツアーでは5~6枚くらいのCDが売られていたのではないかと思います。家族が別の公演のときに、その時は売っていたソロCDを含めて2枚買いました。どちらも良かったです。

投稿: 雪の子キノコ | 2005.02.05 17:59

こんばんはー。横入り失礼します(^^ゞ雪の子キノコさん、また、お邪魔させていただきます。
Matuszynskaさん初めまして。
お2人の、お話、リガ少のことで盛り上がっていたので私も、つい興味深く読ませていただいておりました。なんたって初来日のお話!初来日って95年ですよね。祖国愛、そういうのって、とても大切ですね。あの合唱団の温かい雰囲気は95年の頃からなんだな、と思いました。Matuzynskaさん本当、貴重な体験でしたね。

雪の子キノコさん、ウィーン少のコンサート、もちろん行きます!初参加なので今から楽しみです。何公演くらい行かれますか?今のところ5/4〔水〕のサントリーホールと6/7〔火〕の東京芸術劇場はチケットGET済みです。あと1公演はオペラシティか横浜みなとみらいホール、どっちに行こうか迷っています。横浜はラストなので何かありそうな予感がするのですよ(^^☆
そして実は初来日の“リベラ”のコンサートにも行きます。こちらのコンサートも今から待ち遠しいです。9日に最新アルバム『free』も買いました。透明感・解放感にあふれた歌声、もう素晴らしいです。すっかり聴き込んでいます【笑。


投稿: 春海 | 2005.02.12 01:11

こんにちは。

ということはウィーンのコンサートは3公演に行かれる予定なんですね。私の方は、初日のサントリーはチケット取り済みですが、あとは未定です(でも最終日は行きたいです)。初日の印象次第で、良ければ行ける範囲の公演に当日券で行くと思います。良いコンサートだといいですね。

リベラのコンサートにも行かれるんですね。私も行く予定です。リベラはちょっと前のCDを聴いたことがあるくらいなのですが、やはり透明感のある歌声が印象的でした。こちらも良いコンサートだといいですね。

投稿: 雪の子キノコ | 2005.02.12 19:34

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ポーランド(→英国)の現代作曲家Andrzej Panufnikの「ショパンへのオマージュNo.2」を偶然入手いたしました。パニュフニクの作品と言えば英国聖歌隊... [続きを読む]

受信: 2005.02.01 18:13

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